NPO法人アナイス

●マイクロチップ
☆マイクロチップとは
1.動物の個体識別等を目的とした電子標識器具である。
マイクロチップには、犬の鑑札のように動物の体表に装着する方式、豚の耳標のように動物の体表に付着させる方式、動物の体内に直接埋め込む方式等があるが、通常、専用の挿入器(使い捨てタイプ)で犬やねこ等の背側頚部皮下に埋め込んで使用するのが一般的である。
2.それぞれのマイクロチップには世界で唯一のナンバーがメモリーされており、読取器(リーダー)から発信される電波によってナンバーを読み取り個体識別を行う。
3.内部はIC(電子回路)、コンデンサ及び電磁コイルから構成されている。これらを生態適合ガラス(鉛を含まないガラス)で完全にシールしてある。
4.マイクロチップの情報を読み取る仕組みは、読み取り器(リーダー)から発信される電波が、電磁誘導によってマイクロチップ内のコイル(アンテナ)に電力を発生させ、これによりICチップが起動し、15桁のナンバーのデーター電波を発信する仕組みとなっている。、
このため、マイクロチップ本体には電池が不要であり、半永久的な仕様が可能である。

☆大きさ、形状と材質
直径2mm、全長約12mmの円筒形で、全表面は生体適合ガラスで覆われ体内移動を防止するため微細な凹凸が付いているものもある。両端は丸く処理されていて密封されている。

☆安全性と耐久性
少なくとも30年程度は耐用(その動物の生涯にわたり使用可能)するように設計されているが、現在に至るまで故障等は報告されていない。また、外部からの衝撃による破損事故の報告もない。
通常の皮下注入に比べると、やや針が太いが、一瞬で注入できるので動物に過度の苦痛を与えるようなことはない。またチップ表面素材は生体適合ガラスを使用しているため、注入による副作用はほとんど認められない。

☆使用可能対象動物および注入時期
MCの仕様は哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類に可能である。犬、ねこへのチップの注入は、通常、犬は生後2週間齢頃、ねこは生後4週齢頃から可能であるが、個体差を考慮すべきである。
犬、ねこ以外の動物の場合は、その種類・大きさ等を獣医師が判断して注入時期を決定する。

●マイクロチップのデーターコードと通信方式
☆マイクロチップのデーターコードと通信方式
マイクロチップのデータコードと通信方式については、国際標準化機構(International Organization for Standardization=以下 「ISO」と言う。)が提唱していた規格、各メーカーが独自に設定した規格が存在する。
日本においては、動物園・水族館では一部メーカー独自の規格が採用されているが、ペット動物用のMCは、そのほとんどがISO規格品である。また近年FECAVA(Federation of Europe Companion Animal Veterinary Association:欧州コンパニオンアニマル獣医師連合会)の見解もISO企画にシフトしつつあり、世界小動物獣医師会、米国獣医師会、その他の国々を見ると、世界的なトレンドとしてはISO規格に収束されつつあると思われる。
AIPOでは、国際的な整合性を重視し、将来の混乱等を未然に防ぐ意味合いから、ISO規格を採用してします。
ISOではマイクロチップの「データのコード(データ様式)」と「通信方式(電波の周波数等)」を以下の規格で取り決めている。
データーコードの規格:ISO 11784
通信方式の規格:ISO 11785

●日本で流通しているマイクロチップ(ISO規格準拠のもの)
現在、日本国内で流通しているマイクロチップには次のようなものがある。

メーカー:トローバン社(アメリカ)
商品名:AGEトロンID-162

メーカー:デジタルエンジェル社(アメリカ)
商品名:ライフチップ

メーカー:データマース社(スイス)
商品名:アイディール

メーカー:アビッド社(アメリカ)
商品名:AVIDマイクロチップU


●マイクロチップのコンテンツについて
マイクロチップの情報を集めるにあたり、以下の個人・団体・企業から情報を頂きました。ありがとうございます。
AIPO(動物ID普及推進会議)
大日本製薬株式会社
富士平工業株式会社
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