NPO法人アナイス

●板橋区総合防災訓練
平成15年7月26日(土)、板橋区総合防災訓練において動物同行避難が行われました。
訓練場所となったのは大谷口小学校。この地域の避難場所に指定されているところです。
参加したのは全部で13町会。参加した動物は犬が7頭、猫が2頭でした。
夏休みに入っていることもあってか、小さい子供からご年配の方まで多数参加していました。もちろん自衛隊や消防署等も参加です。

朝9時をすぎると町会ごとに並んで避難する住民の中に、犬やキャリーバッグを持っている人の姿が見られるようになりました。
どの子も飼い主に従い並んで歩いていましたが、きっと「何が始まるんだろう…」と大勢の人数に圧倒されびっくりしていたことでしょう。
実際に以前行われた訓練では、学校の門までは来る事ができたのですが、異様な様子に驚きそれ以上入ってくることができなかった犬もいたようです。


飼い主と避難してきた動物たちは、設置された「動物救護所」にやってきます。
ここでは、板橋区獣医師会の先生方や、ボランティアの方(今回アナイスも参加しました)が待っています。
飼い主は、所定の預かり書や、その動物の様子などを知らせる書類を記入し、動物を預けます。引き取りに来る場合はその時に渡された半券を持参する事となります。

動物たちを預けたら、しばしのお別れです。飼い主としては心配でそばについていたいでしょうが、実際に離れてみて預けられた動物たちが
どのような反応をするかを見ることも訓練の一つです。
猫はキャリーバッグに入れたままケージに入れ(脱走防止のため)、犬はリードをつけたままケージに入ります。
今回参加した犬達は比較的スムーズにケージに入ることができました。
ケージに入れられた犬達はこの場所で飼い主が迎えにくるのを待ちます。
最初はどの犬も吠えることなく大人しくしていました。とはいっても、リラックスしている犬もいれば、ものすごく緊張している犬もいます。

途中、こんなことが起こりました。愛犬を心配した飼い主さんが様子を見にきた際に、愛犬の名前を呼んだのです。
そして飼い主はすぐまたいなくなってしまいました。犬は急に吠え始めました。「迎えに来てくれた!」と思ったらいなくなってしまったのだから。
このように動物たちは災害時ケージに入れられることが高い確率で考えられます。
でも、ただひたすらじっと待っているのでは疲れてしまいます。「ケージの中は大好きな場所」「飼い主は今ちょっといないけど、必ず帰ってくるから全然平気」
動物がそのようなリラックスした気持ちでいられるよう、ケージに慣らし飼い主との信頼関係を築いておく事がとても重要です。その後飼い主が迎えに来て、動物たちをお返しし今回の訓練は終了となります。

今回の訓練で、「我が家の動物たちは預けても迷惑かけずにいられるだろうか」と改めて考えさせられました。
板橋区では「動物たちと一緒に同行避難しましょう」と平成12年に決まりました。
一緒に避難する事を認めてくれたのですから、当然他の避難する方々の迷惑にならないよう、マナーをきちんと守らなければなりません。
避難のために特別なしつけをしなくてはならないのではなく、日頃から社会全体が受け入れてくれるような飼い方をすればいいのです。
私も含め、みなさんももう一度自分の「飼い方」「マナー」について振りかえってみましょう。みんなが心がけることによって、
動物を飼っていない人、苦手な人にも受け入れられ、同行避難という事が社会にひろがっていくことになると思います。

(リポートK・I)

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