NPO法人アナイス

●福岡県西方沖地震被災地の様子
4月4日〜9日(地震発生から15日目〜19日目)の間、福岡市にて調査及びボランティア活動を行いました。

九電記念体育館では玄界島で動物を飼っていた方が同行避難していたようです。
体育館の2階廊下部分に、パーティションで区切られた区画の中で、ゴールデンレトリバーと思われる大型犬が寝ていました。
ケージなどには入ってなく、リードが付いていたかはパーティションがあったため見えませんでした。
飼主の方がいらっしゃらなかったので、お話などは伺えませんでした。
また、この体育館には獣医師会の方が交代で診察に来ているそうです。
その近くにある、警固公民館では動物同行避難をしている方はいないとの事でした。

私が歩いた地域は主に福岡市中央区の大名・薬院・舞鶴周辺です、この辺りは外壁に亀裂が入っていたり、ブロック塀が崩れていたり、路面が割れていたりします。普通に歩いているとあまり激しい被害は目に付きませんが。補修にかかる費用や建物の内部被害はそうとうな物だと思います。
また、大きなマンションンの裏に隠れ目立たない古い一戸建などは、比較的被害が大きかったように思えます。

あるお宅にボランティアとして伺った時、とても印象に残っている事がありました。
マンションに住んでいる方が地震の対策にと、家具の固定をしようとしていたのですが、どうやっていいのかも分からず、日頃近所の人とのコミュニケーションも取れていなかったらしく誰かに相談することができず、とても困っていたとのことです。
都市部での災害時にはこういう方が増えるのではないでしょうか?
余震が続く中でのこのよう孤立した生活は、私には検討もつかない程の不安なのだと思います?
それとは対照的に、玄界島の方達はお互いのコミュニケーションがとてもよく取れていたように感じました。ある程度の危機的な状況は、島民で協力しあって乗り越える事ができる、そんな力が備わっているのだと思います。
しかし、同じ島で暮すよく知った人たち同士でも、避難所のようにプライバシーの無い状態はストレスになると思います。

夕方、ボランティア活動が終わり、体育館の周辺で玄海島の方達とバレーボールをしていた時、男の子が小型犬を抱えている姿を見かけました。
この男の子は夕方になるとこの犬を散歩に連れて行っているようで、ポメラニアンのような小型の犬をよく抱えて外に出ていました。

また、ボランティア活動中に避難所内で物資の陳列・配布を担当させていただいた時に犬の鳴き声がして気が付いたのですが、他にも動物を連れて避難している方がいるようでした。
飼育場所は被災されている方が居住している部分ではなく、体育館のスタンド席の上の方で飼っているようです。
ときどき吠えていたので、中には「うるさい」と感じる方もいたかと思います。
フードの配給が行われていたのかどうかは確認できませんでした。

被災地周辺で犬(シーズー)と散歩中の方に話を伺ったところ「避難所には行っていたれけど、その間ペットは近所の親戚に預けた」とおっしゃっていました。
現在は家の片付けが終わって犬と一緒に暮らしているそうです。
やはり、仮設住宅の入居が開始されるまでは、一時的にペットを預かる施設などが必要だと感じました。

※私が活動を行っていたのは比較的報道がされていると思われる中央区・九電記念体育館でしたが、被災地はここだけではありません。
レポート:島田 剛


福岡市からいただいた九電記念体育館における動物救援活動の情報は、追って掲載いたします。
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