「動物とともに避難する」NPO法人アナイス

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大規模災害発生時の動物避難事例検討ワークショップ 開催 (東京都港区)

2015/02/14公開活動記録

2月14日 アナイス主催 大規模災害発生時の動物避難事例検討ワークショップ レポート

NPO法人アナイスでは、過去の災害発生時に生じた動物避難に関する数々のトラブル事例をもとに、予想される問題を具体的に理解することで次の災害に備えたい、と考えアナイスの活動拠点である港区の「NPO活動助成金」交付支援を受け、大規模災害発生時の事例集の制作事業に取り組んでいます。

今回、これらの事例を元に「大規模災害時の動物避難事例検討ワークショップ」を開催しました。
このワークショップでは、ご参加下さった皆さんを「学校避難所に避難してきた人」とし、動物との同行避難時に起こりうるトラブルを一緒に解決していく手法で進めました。


避難所には、動物が嫌いな人やアレルギーのある人、小さな赤ちゃんなども来ていることを想定し、意見を出し合います。

まずは、避難所での動物飼育スペースを検討することからスタートです。

各地で動物同行避難訓練が行われつつある昨今ですが、ほとんどがすでに設置された動物用テント等に、ペットを預けることから始まります。
しかしながら、実際の避難所では必ず動物用テントが設置されているわけではありません。
避難してきた飼い主と運営側とが話し合い、避難所内のどこだったら、動物が苦手な人にも迷惑をかけずに、ペットを飼育できるか、検討しなければならない場合もあります。

架空の小学校の見取り図を見ながら様々な意見がかわされました。

  • 学校が始まったときのことを考え、一般教室は極力つかわないようにしよう。
  • 外につなぐ場合は、ブルーシートなどで屋根を作りやすい場所にしよう。
  • 音楽室ならば、防音効果が高い上、特別教室であることから一般教室よりも授業の妨げになりにくいのでは?

などなど、皆さんから寄せられる意見はどれも興味深いものばかりです。

全員の意見を総合し、話し合い飼育場所を決めることができました。
その後、さらに3つのトラブル発生したと想定し、同様に解決策を話し合い、全部で4つの事案を皆さんの協力で無事に解決することができました!
発生トラブルは、飼育場所決定後に起こりやすいトラブル、避難所から人が減ったときに起こりやすいトラブル、というように時系列に併せて提示し、検討していきました。


ワークショップ終了後は、理事長の平井潤子による動物避難事例セミナーです。
実際に被災地で起きた問題点を中心に、皆さんにお話させていただきました。

実際に避難してきた立場を想定するワークショップをすることで、今まで災害に関するボランティア活動に参加した経験がある方も、避難所には行ったことがない方も、自分が被災者であったらどのように動いたらよいか、イメージが湧いたのではないでしょうか。


避難所でのシミュレーションワークショップは、アナイスとしても初めての試みでしたが、皆さんの率直なご意見を聴くことができ、とても有意義な時間を過ごせたと思っています。
今後は、アナイスが主催ではなくとも、ご要望に応じて、ワークショップの手法・事例・ファシリテーター、そして動物避難事例セミナーをセットで講師を派遣することも検討中です。

  • 近所のわんちゃんお散歩友達数人でやってみたい。
  • トリミングサロンのお客様をお呼びしてやってみたい。
  • 町内会の防災担当としてやってみたい。

などなど、ご依頼はどんなグループでも大歓迎です。
少人数であれば、アナイス事務局にいらしていただき、開催することもできます!

アナイスは、これからも実際の動物避難事例に則したイベントを展開していきたいと思っていますので、ご期待下さい!