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この文章は、アナイスが会員向けに発行しているメルマガより抜粋したものです。

阪神淡路大震災から10年目に思う

昨年は台風に地震、津波と自然災害の脅威を実感した一年でした。
新潟県中越大震災では阪神淡路大震災以来の震度7を計測。
この冬の降雪で新たな被害が予測されており、本格的な復興に取り掛かるには雪解けを待たねばならないという、雪国ならではの現状があります。

アナイスでは発災直後より新潟の被災地にうかがい、被害にあわれた方々に直接お話を伺う機会を得ることができました。
前回のメールマガジンでもご報告したように、倒壊した建物や大きく亀裂の入った道路、おさまらない余震に、県民のみな様の不安は言葉にはつくせないものがあると思います。
しかし発災10日目の新潟のみなさんは、お互いに助け合い災害を乗り越えようと頑張っていらっしゃいました。
動物と飼い主さんが必要となさっている支援の内容も、「ペットフード」から「一時預かり」や「一緒に住める住宅」へと時間とともに変化していました。
今後は動物と飼い主の心のケアや、仮設住宅での動物の飼育アドバイスなど、ソフトの支援が必要となってきます。
災害時の支援は時系列で情報を集め、必要とされている支援を、タイムリーに行えることが重要なのです。

また、1ヵ月後にうかがった同じ避難所では、新たな被害の話をうかがいました。
被災地を狙った詐欺や窃盗などがそれです。
避難所で「いかがですか?」と優しく声をかけられても、その人の善意がすぐには信じられなくなったと、悲しい声でおっしゃっていたのが印象に残りました。
災害による被害は、地震そのものから受ける被害だけではなく、このような、二次的な人災ともいえる精神的被害もあるのだと驚いてしまいました。

反対に心温まるシーンにもたくさん出会いました。
支援物資の中にかわいくラッピングされた数十個のトイレットペーパーを見つけました。
トイレットペーパーには「このかわいいラッピングで、みんなが少しでもホッとできますように」と書いてある小学生からの手紙が添えられていました。
食品メーカーさんからの支援物資のレトルトのご飯に、「炊きたてなのでそのまま食べられます」と表示してあったのは、電子レンジが使えない、お湯も沸かすのは大変だから炊き立てのものを‥という企業からの思いやりだと思いました。

災害時支援はただ物資を送ればいいだけではなく、被災なさった方々に、ほんのちょっとした思いやりを添えることも大切な支援だな、と実感した出来事です。

年末に起こったスマトラ沖の津波では13万人にも登る被災者がいらっしゃると報道されています。
豊岡の台風被害の復興は、未だ終わっていません。
三宅島の噴火により避難生活を送っていた島民のみなさんは、この2月には全島帰島が決まっていますが、ライフラインの復興や漁場の回復、火山ガスへの対策など、さまざまな課題を抱えています。
阪神淡路大震災からは10年もの月日がたちましたが、その震災で受けたダメージは今なお人々の心に大きな傷を残しています。

私たちは、めまぐるしく過ぎていく時間に、過去の災害を忘れてしまいがちです。
記憶し、そして復興を見届けることの大切さ、そしてそこから何かを学び、次の災害に備えることの重要性を改めて痛感しています。

アナイスでは、引き続き「災害時に備えること」、「飼い主責任を果たすための同行避難」、「ヒトと動物の共生のために、動物を苦手とする方への配慮を考えていくこと」の重要性を訴えていきたいと思います。

2005年がみなさまと動物達にとって平安な一年となりますように。

(レポート 池田 潤子)


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